電話があった。
「Yですが。 その後お変わりありませんか。 株の仕事の話で電話をしたのではないのですが。」 と一方的に話す。 実は過日も同じ名前を語って、かかってきたことがあった。 声はその時と同じだ。 その時はYだというので、勤めていた時の人だと思ったのだ。 声が少し違うなと思いながら話を合わせていた。 「子供さんは?」 というので 「結婚した。」 と答えた。 どうも変だと思いながら 「今、どこにいるの?」 と聞いた途端相手は電話を切った。 その勤めていたときの人は会社を定年で辞めているので、近くにいるのなら会おうと思ったからだった。 今日はその時のことを聞いたら 「いや、電話はしていない。」 というから 「その時と全く同じ声ですよ。 こっちは何も用事はない。」 と言ったら 「あ、そうですか。」 との言葉で電話を終えた。
以上は恰も知り合いであるかのごとき話し方をするのだ。 だからまだ確信できないままについつい話を合わせたくなってしまうのだ。 このなれなれしい言葉に幻惑されっぱなしでいるとあとでどうなるのか。 想像すると非常にやばい気がする。 何かの詐欺にあいそうな気がしてならないのだ。
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